4WDのまとめ その3

2018/10/06 公開

一旦、4駆の話から逸れます。
このサイトを読んでいただいているオッサン諸兄に、もはやアンダーステアとかオーバーステアの説明は不要でしょう。
ここでは、アンダーステア・オーバーステアとタイヤのグリップ力についてちょっとだけお話いたします。


GC_0 右の画像はダーツの的ではなく、グリップサークルと呼ばれる図で、タイヤのグリップ力の大きさと方向を表すために用いられます。
タイヤのグリップ力の全体を100とすると、コーナーリングに用いる横方向のグリップ力と、加速や制動に用いる前後方向のグリップ力を足して100を超えることができません。
例えば横方向に40グリップ力使っているときには、アクセルやブレーキをどんなに踏んでも、タイヤは加速 / 制動には60グリップ力しか使うことができないということです。
ああ、蛇足ですが、40グリップ力とか60グリップ力とか勝手いに言っていますが、「グリップ力」という単位は、たった今、ワタクシメが作ったので、ヨソで使わないようにしてください。
きっと笑われます。
GC_01 このグリップサークルをFF車のフロントタイヤのものとします。
クルマが静止、ハンドルを真っ直ぐにした状態からアクセルペダルを床まで踏み込みます。
このFF車にはTRCがついていて、タイヤが滑るかどうかのギリギリのところにエンジン出力を調整してくれます。
このときのグリップの状態が右図です。
タイヤは100グリップ力を前方向に使われていることが分かります。
横方向グリップ力の余力は0なので、この状態でハンドルを切ってもクルマは右にも左にも曲がりません。
GC_02 続いて、FF車のコーナリング中です。
アクセルペダルはパーシャルの状態で、クルマは加速も減速もしていませんが、ハンドルは切られていて、けっこうイイ調子で曲がっている最中です。
これが右図の状態で、前後方向にグリップ力は使われていませんが、横方向に80グリップ力が使われていることを表しています。
言い換えると、横方向80グリップ力とクルマにかかる遠心力が釣り合っていると言えます。
GC_03 コーナーの出口が見えてきたので、この状態のままアクセルペダルを踏み込んで、前後に50グリップ力を使うとします。
グリップ力の総和は100なので、80グリップ力を使っていた横方向グリップ力は50に減ってしまいます。
80で遠心力と釣り合っていたのに、50に減ってしまえば遠心力に負けて、タイヤはズルズルとコーナー外側に進んでしまいます。
これが、FF車でコーナリング中にアクセルを開いたときに起こるパワーアンダーステアです。
86 当然、FR車でも同様なことが起こりますが、FR車の場合はズルズルとだらしなく外側に向かうのは後輪なので、パワーオーバーステアとなるわけです。
そう、「秋名のハチロク」、イニシャルDの世界です。
ようやく4駆のハナシ・・・とはなりません。
もう少し前説にお付き合いください。
4駆が、何故アンダーステアが強いのかを理解するために、ハンドルを切ってからクルマの向きが変わるまでのタイヤに加わる力の向きを知らなければなりません。


最終的に矢印だらけになってしまいましたが、

「コーナリングフォース」・・・カッコいい響きではありませんか!

ジェダイの騎士がフォースを自在に操ってバッタバッタとドロイドを倒していくように、オッサンドライバーはコーナリングフォースを自在に操って峠道をヒラリヒラリと切り替えしていくのです。

ところで、オッサン読者諸兄はスターウォーズの「最後のジェダイ」はご覧になりましたでしょうか?
40年前、若きジェダイであったルーク・スカイウォーカーは、すっかりオッサン・・・じいチャンに近いオッサンになり果てていました。
そして問題は、我々もルーク・スカイウォーカーと同じだけ齢を重ねているということですッ・・・トホホ

メイ ザ フォース ビイ ウィズ ユウゥゥゥゥ(号泣

GC_04 ハナシを4駆に戻します。
前述のアニメーションの通り、コーナーリング中は、フロントタイヤはリヤタイヤより大きなコーナリングフォースを発生しているので、加速も減速もしていないと右図の状態になります。
ここでは、フロントタイヤの横方向に80グリップ力、リヤタイヤの横方向に50グリップ力とします。
さあ、コーナー出口が見えてきたのでアクセルペダルをドカンと踏みましょう。
トラクションは万全です! 遠慮せずに床まで踏んじゃいましょう。
ここでエンジンがタイヤの前後方向に100グリップ力分のパワーを出したとします。
4駆ですから、エンジンの力は前後に50:50で振り分けられます。
GC_05 フロント、リヤタイヤの前後方向に50グリップ力が使われました。
リヤタイヤでは横方向が50、前後方向が50なので、タイヤの性能をすべて使いきり、タイヤはクルマを曲げながら前に進めます。
ところがフロントタイヤでは、前後方向に50使われてしまうと、80必要な横方向グリップ力が不足し、タイヤは外側に膨らんでしまいアンダーステアになってしまいます。
corneringForce4WD さらにその上、リヤタイヤはクルマをクルマの正面方向(右図の破線方向)に押し出そうとするので、さらにアンダーステアは強くなります。
これをプッシュアンダーステアと呼ぶそうです。
ここまでお話ししてまいったように、4駆の場合、前後タイヤへのトルク配分が50:50の固定だとアンダーステアが大きくなってしまいます。
スポーツ4駆とは名乗ってみたものの、これでは発進加速と直進安定性だけの直線番長になるわけです。(直線番長をディスっているわけではありません。ダッチ・バイパーとか、FPY31型シーマとか、それはそれなりに魅力的です♡)
これを防ぐためには、「コーナーリング中にアクセルを踏んでもフロント側へのトルク配分を抑え、ステアリングホイールが戻され始めたら、それに伴いフロント側へのトルク配分を増やす」的な制御が必要になってくるわけです。
そう、ワタクシメが苦手な電子制御です!

いかにして、電子制御はトルク配分しているのか、次回に続きます。

続く


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