日産 ダイレクト アダプティブ ステアリング
- 第5回 バイ ワイヤは何処へ -
2014/08/29 公開
V37型 日産 スカイラインの3500 ハイブリッドに搭載されたダイレクト アダプティブ ステアリングは、後発の200GT-tには採用されませんでした。
この理由について、某ニュースサイトで日産の開発者が以下のようにおっしゃっています。
「性能的になくても、操縦安定性が確保できたというのがひとつ大きなポイントです。そして4気筒として出すときにお値段を比較的に買いやすいように設定したかった。」
ハイブリッドに比べ、GT-tは100kgも軽いことや前後の重量バランスがよいことを理由に挙げていますが、正直チョット衝撃的です。
逆に言えば、重量バランスを改善し、100kg軽くてきれば、複雑で高価なバイ ワイヤシステムは不要ということですからね。
もちろん、このシステムを開発したコストと、100kg軽量化するコストのどちらが高いか安いかはわかりかねますが・・・。
ただ、バイ ワイヤシステムを開発するより、軽量化した方が圧倒的に正義だとは思います。
燃費もよくなりますし、加速もよくなる。
しかしながらこのサイトの主題は、「ワクワクするようなクルマの新技術」ですから、このシステムを否定するわけには参りません。
ところで、メカ好きオッサンの皆さんは、これまでに短命に終わった新技術をどのくらい思い出せるでしょうか?
ちょっと思い出すままに羅列してみます。
- メルセデス ベンツ SBC(前々回に紹介しました)
- 日産 エクストロイドCVT
- 日産 R31スカイライン GTオートスポイラー
- トヨタ 5バルブエンジン
- トヨタ エスティマ アンダーフロアミッドシップ
- トヨタ セラ ガルウイング式ドア
- マツダ プレッシャーウエーブスーパーシャージャー
- マツダ ミラーサイクルエンジン+リショルム式スーパーチャージャー
- ホンダ 5気筒エンジン
- 三菱 1600CC V6エンジン
- 三菱 ギャランを筆頭に、1990~2000年代に流行ったリーンバーン目的の直噴エンジン
5分ほど目を閉じて昔を思い出したところ、上のようなモノが出てきました。
ワタクシメの青春時代でございます・・・ワッハハハハ
が、おかげで、思い出したくない出来事まで思い出してしまい、ブルーな気持になってしまいました・・・(涙
もちろんこれらは、ごく一部のなかのごく一部です。
もっと細かいところまで含めると、星の数ほどの短命新技術があったことでしょう。
技術が悪かったのか、搭載したクルマが悪かったのか、これらのキワモノ技術は流れ星のようにあっと言う間に消えてなくなりました。
日産のダイレクト アダプティブ ステアリングの行く末がどうなるか、ワタクシメなどには明言することは出来ません。
ただ、上に挙げた短命キワモノ新技術を見ると、どれもこれも「なくても用が足りる」というモノばかりに感じられます。
そして日産のエンジニア氏も、「無くてもいい」的なニュアンスを・・・
はてさて、どうなることやらダイレクト アダプティブ ステアリング・・・・
なぜ、そんなに否定的なんだ?
そう思われるオッサンもいらっしゃるかもしれません。
しかし、チョットだけ考えてみてください。
左の写真は、フライ バイ ワイヤ化されたヒコーキ、エアバスA320のコックピット。いわゆるハイテク機です。
右はハイテク機ではない頃のボーイング747のコックピット。
ナニが違うかお分りでしょうか?
747は計器類が古い・・・正解です
A320にはキーボードがある・・・正解です
747、スイッチ多すぎ・・・正解です
でも、我々オッサンが一番気を付けなければならないのはココです。
お分かりいただけましたでしょうか?
ローテク機の747には操縦桿がありますが、ハイテク機のA320には操縦桿の代わりにジョイステックが取り付けられています。
フライ バイ ワイヤ化されたヒコーキには、もはや操縦桿は必要ないのです。
ゲームと同じ、ジョイステックで十分なのです。
そしてヒコーキ同様、完全にドライブ バイ ワイヤ化されたクルマでは、
いいですか、オッサンの皆様方、よく聞いてください。
アクセルペダルは、ドライバーがエンジン回転数を制御するモノではないのです!
ステアリングホイールは、ドライバーが前輪の切れ角を操作するモノではないのです!
ブレーキペダルは、ドライバーがブレーキパッドの圧着力を調整するモノではないのです!
もう、タダの入力装置
俺はこのくらい加速したい・・・
私はこのくらい曲がりたい・・・
僕はこのくらい減速したい・・・
それらの情報を、クルマのコントロールユニットに伝えるための入力装置なのです。
つまるところ、もうこれでいいのです。
ここ最近、自動運転が技術的流行です。
どこぞのメーカーは2018年までに実用化すると豪語しています。
この流行で、きちんと実用に耐えうる自動運転システムが登場するかどうかは分かりません。
しかし、いずれは実用化されれば、ハンドルもアクセルもブレーキもない車が現れるかもしれません。
あ~あ、もうやってられないぜ!!
そのとき、車はクルマでなくなるのでしょうね・・・
それでも諦めきれないオッサンは、安っぽいプラスチック製の純正コントロールパッドを、カーショップでナルディ製かモモ製の革巻きに買い換えるに違いありません。
ちなみに、パッドの前の面についている4つのボタンですが、
L1はクルマの後部からオイルをまき散らしてライバル車をスピンさせます。
L2はホイールの中心からドリルが出て、ライバル車をパンクさせます。
R1はボンネットの一部が開いて機関銃が現れます。ただし銃規制のないアメリカ仕様のみです。
R2は緊急脱出装置です。
ただしこれはオッサン向け仕様です。
免許取りたての若者仕様では、このボタンを押すと亀を投げたり、ジェットエンジンに点火したりします。
やったことありますよね、マリオカート・・・
お詫び
この稿、ダイレクト アダプティブ ステアリングと銘打っておきながら、内容はバイ ワイヤの説明と、オッサンの愚痴になってしまいました。
言い訳をお許しいただけるなら、電気的なシステムは話が少ないのです。
ダイレクト アダプティブ ステアリングに興味をお持ちになって弊サイトをご訪問いただけた方に、お詫び申し上げます。
完
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