ミラーサイクル

- 第2回 圧縮比 -

2014/09/12 公開

ところで皆さんは、メンドクサイことは先にやる方ですか? それとも後回しにする方ですか?
三つ子の魂、ナンタラ・・・と言いますが、お恥ずかしながらワタクシメ、小学校の夏休みの宿題のスケジュール管理方法をオッサンになった今でも引きずっています。
ワタクシメも、たまにはビジネス書的なモノに目を通すこともあるのですが、ナントも耳の痛い話が載っていました。
chart
上の図は、仕事での案件を重要度と緊急度で区別したものです。

この図内の右上“急いでいて大事な仕事”は、誰でもやります。
と言うか、やらなきゃ怒られます。それも相当こっぴどく・・・
大きなプロジェクトの最終プレゼンの資料。期限は今日。
「おい、佐々木。プレゼン資料、見せてくれ。」
「いや、まだやってないっス。」
あ~あ、佐々木君の運命はイカに・・・・

右下の“急いでるけど、そんなに大事ではない仕事”も、まあ大体の人がやるでしょう。
けど、仮にやらなくてもそんなには怒られない。
「おい、小松。備品のボールペン、注文したか?」
「ああ、すいません。今からやります。」
まっ、備品のボールペンがなくなっても、誰だってカバンの中には1本や2本は入っていますからね。
小松君も、注意された時点でやればいいでしょう。

左下の“急いでもいなけりゃ大事でのない仕事”は、まあいいでしょう。
トイレの個室のドアの建付けが悪い。業者さんに頼んで修理してもらわなければならないけれど、閉まらないわけではないから、時間があるときに誰かが発注すればいいでしょう。

さて、問題は左上。“急いではいないけれど、大事な仕事”。
そう、夏休みの宿題です。
絶対に8/31までには終わらせなければならない。でも、まだまだ時間はあります。
アホだった小学生のワタクシメは、お盆の頃まで夏休みは永遠に続くモノでした。
夏休み最後の一週間は地獄と化します。
しかし、そんなに痛い目に遭ってもこのワタクシメ、ブレることなくそれを6年間続けたことは大したものです。
ただし、サザエさんに出てくるカツオ君は哀れです。
1969年の放送開始から45年間、毎年その地獄を味わっているのですから。



閑話休題
さて、これからオッサンの皆さんにとって、急いでもいないし、重要でもなく、さらにメンドクサイ話を始めます。
「そんなの百も承知さ!」というオッサンは、どうぞ読み飛ばしてください。

まずは圧縮比から。
圧縮比とは、エンジンが吸い込んだ空気をピストンの動きで押しつぶす、その比率です。
engine1 まず左の2つの絵を見てください。
ピストンが一番下にある状態を下死点、一番上にある状態を上死点と呼びます。
下死点と上死点の距離が“ストローク”です。
中央の絵の“ボア”は、シリンダーの直径です。
さあ、円柱の体積の求め方です。夏休みの宿題でやりましたよね。覚えてますか?

半径 × 半径 × 3.14 × 高さ

ですから、シリンダーの容積は

(ボア÷2) × (ボア÷2) × 3.14 × ストローク

となります。

次に、右の図です。
ピストンが上がりきった状態のときに出来た隙間の大きさが燃焼室容積になります。

で、圧縮比は

(シリンダー容積 + 燃焼室容積) ÷ 燃焼室容積

で求めることが出来ます。

もっと分かりやすくしちゃいます。
engine2 ピストンが下がりきった時にシリンダーに吸い込まれた空気が500ccだとします。
燃焼室容積が50ccだとします。
これを上の式に当てはめると、

500 ÷ 50 = 10

ですから、このエンジンの圧縮比は10:1になります。



さあ、次回はもっと面倒なバルブタイミングです。

続く


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