トヨタ ハイブリッド システム

- 第3回 遊星ってナニよ? -

2014/06/19 公開

Wikipediaによると、「遊星からの物体X」は1982年にアメリカで製作されたSFホラー映画だそうです。
ちなみに、この映画は1951年の「遊星よりの物体X」のリメイク版だそうです。
いいですか、オリジナルは「遊星よりの」、リメイク版は「遊星からの」・・・
はたして故意なのか、だれかのチョンボなのか・・・?
孤立した南極基地で隊員たちが何者かに寄生されて・・・という内容はここでは関係ありません。
ここで大事なのは「遊星」という言葉だけです。
「遊星」ってナンでしょう?
ググりました。
正直、

おおおッ!

と、声を上げました。

遊星と惑星は同義語だそうです。

オハズカシナガラ、ゼンゼン知りませんでした。

かつては、東京大学系の学者は「惑星」と、京都大学系の学者は「遊星」と呼ぶ、という俗説があったくらい、両者は同じ意味だそうです。
イヤ~、調べてみるモノですね。一つ、お利口サンになりました。



さて、オッサンエンジニアが「遊星からの物体X」のタイトルを見て閃いたのは「遊星ギア」です。
なんのヒネリもなかったこと、オワビいたします。
で、遊星ギアってナニよ? とおっしゃるオッサンのために、下の図を用意しました。

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左のイラストが正面図、右の動画が俯瞰した図です。
動画を再生していただければ、どんな動きをするのか、ナントナク分っていただけるかと。

これからお話しするにあたり、ご面倒は重々承知ではございますが、4つだけ部品の名前を憶えてください。

  • いちばん外側にあるギア、イラスト内では紫色で表されていますが、内側にギアの歯が刻んであるのがインターナルギアです
  • 真ん中の赤いギアはサンギア。そう太陽のように真ん中にあるのでサンギアです。
  • 太陽の周りを回っている水色の4つのギアはプラネタリーギア。惑星とか遊星の意味のプラネットです。
  • 最後に、4つのプラネタリーギアを結びつけているのがプラネタリーキャリアで青で示しています。

この遊星ギアは、クルマでは一般的にオートマチックトランスミッション(以下AT)に使われています。
CVTやマニュアルを自動化したDSGとかではなく、昔ながらのステップ式ATです。

ところで・・・
CVTと言えば、日本で最初に採用したのはスバルすが、1988年に登場したスーパーチャージャーエンジン+ECVTのREXのテレビCMはカッコよかったです。
ジョージ マイケルのFaithに乗せてCVTのプーリーが動く様子に感動しました。
「REX、カッコいいよね~」
と、ワタクシメが言うと、友人が即座に指摘しました。
「そりゃオマエ、音楽がカッコいいだけだろう・・・」
妙に納得しました、ワタクシメは。

テレビCMといえば、いまYouTubeには昔のクルマのCMがたくさんアップされています。
いったいアップ主さんは、どういった訳でこんなにたくさんの動画をお持ちなのか分かりえませんが、ノスタルジーオッサンには大変ありがたいことです。
ちなみに、ワタクシメが好きなクルマCMのベスト3は以下の通り。
  • 初代ホンダインテグラ
  • 山下達郎さんの「風の回廊」のBGMがとても印象的でした。
  • 2代目ホンダプレリュード
  • 豪雨の中を疾走する姿にしびれました。BGMはボレロでした。
  • S13型ニッサンシルビア
  • 助手席に乗る女性目線の映像で、怒るボーイフレンドの後ろ姿、投げ捨てられるバラの花束、響くハイヒールの音、一瞬涙でにじむ画面。この制作者は天才か!と思いました。BGMはプロコル・ハルムの「青い影」。
カッコよかったなあァ~、あの頃のニッサン車、あの頃のホンダ車。いまは、いったいどうしちゃったのでしょう・・・

もし、まだご覧になられていないオッサンがいらっしゃいましたら、YouTubeの昔のクルマCM、お勧めです。
これを観たとき、お恥ずかしながらこのワタクシメ、目頭が少々熱くなりました。



閑話休題
話を戻して、そのステップ式ATを例にとって遊星ギアの働きを見てみましょう。


上のアニメーションの「減速」ボタンをクリックして下さい。
エンジンの回転が、ATで減速される状態です。
5速ATでいうところの1~3速です。
この時、エンジンの回転は外側のインターナルギアに伝わります。
真ん中のサンギアは固定されて回転できません。
プラネタリーキャリアがタイヤに接続されます。
プラネタリーキャリアが、インターナルギアよりゆっくり回転しています。
どうでしょう、エンジン回転が減速されてタイヤに伝わる様子が分かりますでしょうか?

続いて「増速」ボタンをクリックして下さい。
エンジンの回転はプラネタリーキャリアに伝わり、サンギアの回転がタイヤに伝わります。
インターナルギアは固定されて回転できません。
サンギアがプラネタリーキャリアより速く回転しています。
エンジン回転が増速されている様子が分かりますでしょうか?
5速ATでいうところの5速に当たります。

最後に「逆転」ボタンです。
エンジンがサンギアに、タイヤがインターナルギアに接続され、プラネタリーキャリアは固定されます。
言うまでもなく、ATではリバースになります。

実際のクルマでは、大昔の3速ATや、今でも使われている4速ATではこの遊星ギアを2セット組み合わせて変速させます。
5~7速ATでは3セット、8、9速ATでは4セット使っているそうです。さらに10速ATも開発されているそうですが、いったいそんなに増やしてどうするつもりでしょうか・・・



ここまでの説明で、遊星ギアがどのように使われているかお解かりいただけましたでしょうか?
次回は、この遊星ギアをどのようにしてハイブリッドシステムに組み込んだかのお話をさせていただきます。

タマゴが立ったのです!


続く

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