トヨタ ハイブリッド システム
- 第4回 THSの秘密 -
2014/06/21 公開
今回は無駄話なしにいきなり核心です。
トヨタのエンジニア氏が、遊星からの物体Xを観たかどうかは存じ上げませんが、とにかく遊星ギアを使うことを思いつきました。
下の図は、そのシステムの概略です。
角度を変えてもう一枚。
えッ? ゴチャゴチャしてて解りづらい?
おっしゃる通り。では、ウンと簡略化しちゃいましょう。
いいですか?
これならだいぶ解りやすいでしょう。
けっしてミッキー〇ウスではありませんよ。
この仕組みを言葉で簡潔に表すと
- サンギアは発電機につながっている
- プラネタリーキャリアはエンジンにつながっている
- インターナルギアはモーターとタイヤにつながっている
となります。
では次に、動力の伝わり方を見てみましょう。
まずはエンジン始動時です。エンジン始動には、発電機をスターターモーターとして使います。
動力は、スターターモーター(発電機)--> サンギア --> プラネタリーキャリア --> エンジンと伝わり、エンジンが始動します。
続いて、発進時(モーターのみ)の動力の伝わり方です。
動力は、モーター --> インターナルギア --> タイヤの順に伝わり、モーターだけで走行することが出来ます。
エンジンとモーターの合力で走行する場合は、エンジンの動力がプラネターリーキャリアを経て合成されます。
モーターでの走行に加え、エンジン --> プラネタリーキャリア --> インターナルギア --> タイヤの順で動力が加わります。
最後に、アクセルオフ、またはブレーキ時の回生ブレーキの動力伝達です。
タイヤが回される力が、インターナルギア --> モーターと伝えられます。
このとき、モーターは発電機として作用し、充電を行います。
どうでしょう? ここまで見て、トヨタ ハイブリッド システムの動力の伝わり方がお解かりいただけましたでしょうか?
複数のクラッチなどを使うことなく、見事に動力を分割・合成しています。
しかし、これでまだタマゴが立ったわけではありません。
本当にタマゴが立つ話はこれからです。
ところで、上の一連のイラストをみて気付いたオッサンはいらっしゃるでしょうか?
そう、このシステムには
トランスミッションがないッ!
のです。
この話、まだまだ続きます。
続く
|
TOPへ戻る