シトロエン・2CVというクルマをご存知でしょうか?
そう、ルパン三世・カリオストロの城で、クラリスが乗っていたアレです。
で、驚くべきことにこの2CV、発売開始の1949年から1962年までのモデルには車速感応式ワイパーが付いていたのです。
そう、スピードが遅いときにはワイパーはゆっくり動き、スピードが速くなればワイパーもせっせと動く。
信じられますか?
1949年と言えば、太平洋戦争が終わってまた4年ですよ!
きっとシトロエンのエンジニアは、車速感応式ワイパーのためだけにホイールのそばに車速センサーを取り付け、ワイパーコントロールユニットを真空管式のコンピューターで作り、
車速に応じてワイパーモーターの回転数を変化させていた・・・わけではありません。
なんとビックリこの2CV、ワイパーがスピードメーターケーブルで駆動されていたのです。
今と違って、昔はトランスミッションの出力シャフトに小さなギアを噛み合わせて、そこからワイヤーケーブルでスピードメーターまで回転を伝えていました。
そのワイヤーケーブルの回転でワイパーを作動させていたのです。
ですから正確には車速感応式ではなく、車速連動式となります。
でも、これを開発したエンジニアのドヤ顔が目に浮かぶではありませんか。
どうだ、見たか。
電気のモーターが不要だからコストも下がるし、
なんたってクルマのスピードに連動してワイパーが動くんだ!
こんな便利なモノはなかろう!
ただでさえ高い鼻がさらに高くなったのに違いありません。
でも、わかりますよね・・・
これじゃあ、ダメだって。
大雨の中、駐車していた2CVに乗り込む。
フロントガラスは滝のように水が流れている。前なんて見えやしません。
エンジンを掛けて、さあ発進だ。
ワイパースイッチ オ~ン・・・・アレ・・・?
ワイパースイッチ オ~ン・・・・・・・・・・・ (-_-)
これぞまさにフランス流合理主義
腹を抱えて笑うほどではないけれど、十分ニヤニヤできるくらいにはオモシロイ。
となれば、空気ハイブリッドも・・・
ナンと言っても、「空気ハイブリッド」という考え方だけで、すでにニヤニヤできるのですから・・・
ちなみに2CVの車速連動式ワイパー、1962年のマイナーチェンジで廃止されたそうです。
やっぱり分かってたんだ、これじゃダメだって・・・