どうよ 今のクルマ マツダ SKYACTIV-D

マツダ SKYACTIV-D (SH-VPTR型エンジン)

- 第4回 マツダの決断 -

2014/05/31 公開
2016/05/28 改稿

justitia 裁判所などに置かれている正義の女神像は、天秤を持っています。
正邪を測る天秤なわけですが、

じゃあ正義ってなんでしょう?

なんて難しい話をする気は全くありません。
言いたいのは、天秤の片側の皿にナニかを乗せれば天秤がそちらに傾き、逆の皿に乗せれば天秤は逆に傾くのです。
そう、コチラを立てればアチラが立たずです。
今回さらに乗せるのは、NOXと煤煙です。
下の表は、燃焼温度と煤煙、NOXの発生量を示したものです。

soot_nox

出ました。コチラを立てればアチラが立たず。

縦軸は当量比となっていますが、要は燃料の濃さです。下は薄く、上は濃い燃料を表しています。
横軸は軽油を燃やした時の温度です。単位はケルビン。

まずは燃焼温度について見てください。
NOXを減らそうと燃焼温度を下げれば煤がドバーッと出て、煤を減らそうと燃焼温度を上げればNOXがドバーッ。
人生、コンナのばっかりです・・・(涙

オッサンの部下の佐藤君が言いました。「課長! 絶対に白です。白じゃなければ俺は辞めます!」
吉田君は言いました。「課長! 絶対に黒です。黒じゃなきゃ、俺は辞めます!」
佐藤君も吉田君も、課にはなくてはならない人材です。
オッサンは言いました。「まあまあ佐藤君も吉田君も冷静になりなさい。どうだろう、お互いが少しずつ譲って灰色ってのは?」

グッド・ジョブ!

アナタは正しい!
玉虫色の決着。これぞ日本のオッサンの連綿と受け継いできた、処世術です。
煤とNOXの間に挟まれたオッサンはこう答えるはずです。「まあ、2000~2250K辺りで燃やせば、NOXもそんなに出ないし、煤も我慢できる程度だろう・・・」
両方大事なのですから、どちらも捨てたくはありません。
妻も大切だし、総務課の美紀チャンとも別れたくない・・・わかります(キッパリ)



閑話休題
しかしグラフを見たマツダのエンジニア氏は考えました。「2000K以下で燃やせばNOXゼンゼン出ないじゃん!」(実際には1800K以下ならNOXは発生しないそうです)
そう、玉虫色の決着を止め、一方を選んだのです。ただし、エンジニア氏が奥さんを選んだのか美紀ちゃんを選んだのかは議論の別れるところでしょう。
NOXがゼンゼン出ないのであれば、NOX用の後処理装置も不要になります。

3つあった後処理装置が2つになるのですから、軽くなるし、クルマの値段も下げられるし、排気系の取り回しだって楽になります。
まさに良いこと尽くめ。
となると、あとは如何にNOXを出さないよう燃焼温度を下げるか・・・ということになるます。

続く

1 2 3 4 5 6 7

TOPへ戻る