ワタクシメにとって、エンジンルームの中で最もメカニカ~ル感を感じた部品の一つがディストリビューター、略してデスビでした。
他にはないブッ太い配線を一身に集めたその姿は、独特のオーラを放っていたものです。
1985年に、日産 スカイラインに搭載されたRB20エンジンが登場するまではすべてのエンジンにコレがついていたので、見覚えのあるオッサン方々もいらっしゃるかと思います。
ワタクシメ、久しぶりにデスビの写真を見てまず思ったのが、右図の赤線で囲った金色のプレートについてです。
コレがナンと言う名前であったのかは記憶がありませんが、デスビの左右に1か所ずつあって、画面左側の黒いキャップをデスビ本体にパチン、パチンと引っ掛けて固定するためのプレートです。
パチン、パチンですから、簡単に取り付けられますので、
イマ風に言えば、クイックリリース・デスビキャップとなるのでしょうが、デスビキャップをクイックにリリースしなきゃならない理由は見当たりません。
それに、簡単に取り付けられるということは、逆に言えば、簡単にとれ・・・・
このキャップの中では数万ボルトの高圧電気が、1分間に数千回も猛烈な勢いで火花を飛ばしている阿鼻叫喚の地獄絵図なのです。
当然、水分、油分、ほこり厳禁で、実際デスビキャップと本体の間にはゴムのシールが入っています。
なのに、固定はちょっとバネになったプレート二枚だけ・・・。
コンナンでイイんでしょうか?
イヤ、ダメだったと思います、多分・・・
実際、年代ははっきりしませんが、途中からこのパチンパチン方式は廃止されて、フツーにボルト留めされるように変わったので・・・。
パチンパチンがずれたらエンジンは止まってしまうので、今の基準で言えば絶対にあり得ない固定方法ですが、昔はこれでイイとは言わなくとも、ソノ・・・ナンと言うか・・・アレだったのですね・・・
まあ、なんとも牧歌的と申しますか・・・
イヤ、このへんでヤメテおきましょう。
今の基準で昔を語っても生産的ではありませんよね。
ちなみに、12気筒のデスビキャップはこんな感じになります。
もはやギリシャ神話の怪物、メドゥサのようです。
あの、髪の毛の代わりに頭からヘビが生えてるやつです。
そしてこのデスビを分解したが最後、組み付け時にはメドゥサに睨まれた村人のようにワタクシメは石になるのでした・・・。